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海外第Ⅲ相臨床試験
(IM011-047試験)
POETYK PSO-2(海外データ)

社内資料:海外第Ⅲ相試験(IM011-047試験)[POETYK PSO-2](承認時評価資料)

Strober B, et al. : J Am Acad Dermatol. 2023;88:40-51.
[利益相反]資金提供 : Bristol-Myers Squibb社、著者に助成金を受領しているものが含まれる。

有効性・安全性については、試験概要をご確認後、ページ下部へのスクロールにてご確認いただけます。

試験概要

目的

中等症から重症の局面型皮疹を有する乾癬患者を対象に、投与16週のPASI 75及びsPGA 0/1達成率により、ソーティクツのプラセボに対する優越性を検証し、安全性を検討する。

対象

中等症から重症の局面型皮疹を有する乾癬患者1,020例
局面型皮疹の病変が体表面積(BSA)の10%以上、PASIスコアが12以上、かつsPGA(医師による静的総合評価)スコアが3(中等度)以上の患者

試験デザイン

多施設共同、ランダム化、二重盲検、ダブルダミー、プラセボ及びアプレミラスト対照並行群間比較試験


QD : 1日1回 BID : 1日2回

試験方法
  • ・ 患者をソーティクツ群(6mg1日1回経口投与)、プラセボ群、アプレミラスト群(30mg1日2回経口投与まで漸増※3)に2:1:1の比でランダムに割り付けた。なお、患者を地域(米国、その他)、生物製剤使用歴の有無(乾癬、関節症性乾癬又はその他の炎症性疾患のみ)及び体重(90kg以上又は90kg未満)で層別化した。
  • ・ ソーティクツ群では、投与24週にPASI 75を達成した患者(レスポンダー例)は1:1の比でプラセボ(ソーティクツ-プラセボ群)又はソーティクツ(ソーティクツ継続群)のいずれかに再ランダム化し、PASI 75を達成しなかった患者(ノンレスポンダー例)はソーティクツの投与を52週まで継続した(ソーティクツ継続群)。
  • ・ プラセボ群では、投与16週に全ての患者を盲検下でソーティクツ(6mg1日1回)に切り替え、プラセボ-ソーティクツ群として52週まで継続した。
  • ・ アプレミラスト群では、投与24週にPASI 75を達成した患者はプラセボに切り替え(アプレミラスト-プラセボ群)、PASI 75を達成しなかった患者はソーティクツ(6mg1日1回)に切り替えた(アプレミラスト-ソーティクツ群)。
  • ・ ソーティクツ群及びアプレミラスト群でプラセボに切り替えた後、いずれかの来院時に再発が認められた場合、投与52週まで再びソーティクツに切り替えることとした(再発はベースラインから投与24週までのPASI改善率が50%以上消失することと定義)※4
  • ・ 投与24週にsPGAが3以上又はss-PGAが3以上で身体又は頭皮に中等度以上の病変を有することが示唆される患者は、制限された外用治療薬又はシャンプーによる治療を治験担当医師の判断で開始できることとし、52週まで継続可能とした。
  • ・ 患者は投与52週に投与期間を完了し、適格となった患者は長期継続試験であるIM011-075試験に移行し、投与を継続した。
評価項目
  • 主要評価項目

    ソーティクツとプラセボの比較

    ・ 投与16週のPASI 75及びsPGA 0/1達成率(検証的な解析項目)

  • 主な副次評価項目

    • ソーティクツとプラセボの比較

      ・ 投与16週のPASI 90、ss-PGA 0/1※5、sPGA 0、PASI 100、PSSD症状スコア0※6、DLQI 0/1※7、PGA-F 0/1※8達成率

    • 〈ソーティクツの効果の維持及び持続性〉

      ・ 投与24週にPASI 75を達成した患者での再発までの期間(ベースラインから投与24週までのPASI改善率が50%以上消失することを再発と定義)をソーティクツ群に再ランダム化された患者とプラセボ群に再ランダム化された患者で比較

    • ソーティクツとアプレミラストの比較

      ・ 投与16週のsPGA 0/1、PASI 75、PASI 90達成率、PSSD症状スコアのベースラインからの変化量※6、ss-PGA 0/1※5、sPGA 0、PSSD症状スコア0※6達成率・ 投与24週のsPGA 0/1、PASI 75、PASI 90達成率

  • その他の評価項目

    ・ ソーティクツ群とプラセボ群の投与16週までのsPGA 0/1、sPGA 0、PASI 75、PASI 90、PASI 100達成率 等 ・ ソーティクツ群とアプレミラスト群の投与24週までのsPGA 0/1、sPGA 0、PASI 75、PASI 90、PASI 100達成率 等

    〈再ランダム化されたソーティクツの効果の維持及び持続性〉

    ・ 投与24週にPASI 75を達成した患者でのPASI 75反応を投与52週まで維持した割合・ 投与24週にsPGA 0/1を達成した患者でのsPGA 0/1反応を投与52週まで維持した割合 等

  • 安全性評価項目

    ・ 有害事象 等

解析計画

有効性評価項目及び安全性評価項目は、プラセボ群は投与16週まで、ソーティクツ群、アプレミラスト群は投与24週までを解析した。
ソーティクツ群のうち、投与24週にPASI 75を達成した患者(レスポンダー例)を再ランダム化し、効果の維持及び持続性を評価するため、投与24週から52週までは、ソーティクツ-プラセボ群、ソーティクツ継続群について解析した。投与24週にPASI 75を達成しなかった患者(ノンレスポンダー例)はソーティクツ継続群として、また、最初にプラセボ群に割り付けられ16週以降にソーティクツに切り替えた患者はプラセボ-ソーティクツ群として、52週まで追跡した。アプレミラスト群は投与24週のPASI 75レスポンダー例をプラセボに切り替えアプレミラスト-プラセボ群として、PASI 75ノンレスポンダー例はアプレミラスト-ソーティクツ群として解析した。安全性評価項目はさらに投与完了後4週まで追跡調査を行った。

  • 主要評価項目

    投与16週のPASI 75達成率とsPGA 0/1達成率について、プラセボに対するソーティクツの有意性をそれぞれ両側有意水準0.05で検定した。
    解析には、地域、生物製剤使用歴の有無及び体重を層別因子としたCochran-Mantel-Haenszel (CMH)検定を用い、プラセボに対するソーティクツのオッズ比及びその両側95%信頼区間とp値を算出した。欠測値はNRI法により補完した。また、ソーティクツ群とプラセボ群を比較し、Mantel-Haenszel法を用いて投与群間差及びその95%信頼区間を算出した。

  • 主な副次評価項目

    二つの主要評価項目の両方で統計学的有意差が認められた場合に、ソーティクツとプラセボとの比較、ソーティクツとアプレミラストとの比較を、それぞれ別の検定グループとして両側有意水準0.025で検定した。各グループ内で階層的検定手順を用い、統計学的に有意な結果が得られた場合のみ次の項目に進むこととした。


    二値変数の有効性評価項目の解析は主要評価項目と同じ方法を用い、欠測値はNRI法により補完した。連続変数の有効性評価項目の各時点における比較には、投与群及びランダム化層別因子を固定効果、ベースライン値を共変量とする共分散分析モデルを用い、欠測値はmBOCF法により補完した。また、ソーティクツ群とプラセボ群又はアプレミラスト群との群間差(調整済み最小2乗平均値に基づく)及びその両側95%信頼区間を算出した。

    効果不十分又は有害事象により治験薬の投与を中止した患者は、中止以降の全ての評価時点で、ベースライン時の測定値を繰り越した。他の理由で比較時点より前に治験薬の投与を中止した患者、又は比較時点で欠測値があった患者は、最後の有効な測定値(該当する場合、ベースライン値も含む)を繰り越した。ベースライン値が欠測している患者は、ベースラインからの変化量の解析から除外した。
    Kaplan-Meier法(積極限法)を用いて、治療中止及び維持投与期のTime to Event 解析の生存曲線を推定した。治療中止及び維持投与期に再ランダム化された患者におけるソーティクツとプラセボの投与群間比較は、層別因子を用いて層別化したログランク検定を用いて実施した。

  • その他の評価項目

    その他の全ての有効性評価項目は推定値とともに両側95%信頼区間を算出し、各評価項目の検定は名目上のものとみなした。

    二値変数の有効性評価項目の解析は主要評価項目と同じ方法を用い、欠測値はNRI法により補完した。

  • 安全性評価項目

    有害事象、死亡、重篤な有害事象、投与中止に至った有害事象などの頻度及び割合を要約した。投与0週~16週(プラセボ対照期間)以降の安全性事象データは曝露期間で調整した有害事象の発現率(100人・年あたり)を用いて要約した。当該治験薬を1回以上投与した全ての患者(投与16週以降に他の治験薬から切り替えた患者を含む)で解析した。投与0週~24週及び投与0週~52週の安全性データはいずれも事象発現時に投与されていた治験薬に基づいた。

※1 ソーティクツ群には511例がランダム化されたが、1例は投与されなかった。
※2 プラセボ群には255例がランダム化されたが、1例は投与されなかった。
※3 アプレミラストは、承認用法・用量に従い漸増後、30mg1日2回投与した。
※4 いずれかの来院時に再発(ベースラインから投与24週までのPASI改善率が50%以上消失することと定義)が認められた場合には、再び本剤に切り替えることとされていたが、システムの不具合により、再発例に本剤への切り替えが行われず、プラセボの投与が継続された。
※5 ss-PGAのベースライン値が3以上の患者が対象
※6 PSSD症状スコアのベースライン値が1以上の患者が対象
※7 DLQIのベースライン値が2以上の患者が対象
※8 PGA-Fのベースライン値が3以上の患者が対象

患者背景


有効性

投与16週のPASI 75及びsPGA 0/1達成率(ソーティクツとプラセボの比較)
[主要評価項目]、検証的解析結果

投与16週のPASI 75達成率はソーティクツ群53.0%、プラセボ群9.4%、sPGA 0/1達成率はソーティクツ群49.5%、プラセボ群8.6%であり、二つの主要評価項目で統計学的な有意差が認められ(いずれもp<0.0001、層別化CMH検定)、ソーティクツのプラセボに対する優越性が検証されました。

主な副次評価項目

階層的検定の評価項目において、ソーティクツ群とプラセボ群との比較では7番目までの項目で統計学的有意差が認められ、8番目の項目である投与16週のPGA-F 0/1達成率がソーティクツ群20.3%、プラセボ群7.9%であり、有意差が認められず、検定が終了しました(p=0.0621、層別化CMH検定)。 また、アプレミラスト群との比較では9番目までの項目で統計学的有意差が認められ、10番目の項目である投与16週のPSSD症状スコア0達成率がソーティクツ群7.5%、アプレミラスト群4.3%であり、有意差が認められず、検定が終了しました(p=0.0928、層別化CMH検定)。

※5 ss-PGAのベースライン値が3以上の患者が対象
※6 PSSD症状スコアのベースライン値が1以上の患者が対象
※7 DLQIのベースライン値が2以上の患者が対象
※8 PGA-Fのベースライン値が3以上の患者が対象

[その他の評価項目]

投与24週までのPASI 75、PASI 90、PASI 100達成率の推移は以下のとおりでした。

アプレミラスト群は投与24週にPASI 75レスポンダー例をアプレミラスト-プラセボ群、PASI 75ノンレスポンダ―例をアプレミラスト-ソーティクツ群として解析したため、投与24週までを示した。

[その他の評価項目]

投与24週までのsPGA 0/1、sPGA 0達成率の推移は以下のとおりでした。

アプレミラスト群は投与24週にPASI 75レスポンダー例をアプレミラスト-プラセボ群、PASI 75ノンレスポンダ―例をアプレミラスト-ソーティクツ群として解析したため、投与24週までを示した。

[その他の評価項目]

ソーティクツ群で投与24週にPASI 75を達成した患者(PASI 75レスポンダー)のうち、ソーティクツ継続群の80.4%が投与52週にPASI 75を達成したのに対し、ソーティクツ-プラセボ群※4では31.3%でした。同様に、ソーティクツ群で投与24週にPASI 75を達成しsPGA 0/1も達成した患者のうち、投与52週にsPGA 0/1を達成した患者は、ソーティクツ継続群70.3%、ソーティクツ-プラセボ群※423.5%でした。

※4 いずれかの来院時に再発(ベースラインから投与24週までのPASI改善率が50%以上消失することと定義)が認められた場合には、再び本剤に切り替えることとされていたが、システムの不具合により、再発例に本剤への切り替えが行われず、プラセボの投与が継続された。

安全性

投与0週~16週(プラセボ対照期間)

・ 重篤な有害事象は、ソーティクツ群で8例(1.6%)、プラセボ群で3例(1.2%)、アプレミラスト群で1例(0.4%)に認められました。 ・重篤な有害事象の内訳は、ソーティクツ群では、憩室炎、敗血症、レンサ球菌性菌血症、上気道感染、心停止、心不全、胃腸出血、アナフィラキシー反応、脱水、悪性高血圧が各1例(0.2%)、プラセボ群では、蜂巣炎、末梢動脈閉塞、大うつ病、慢性閉塞性肺疾患が各1例(0.4%)、アプレミラスト群では、胃腸出血、胃腸管動静脈奇形、肺腺癌、虚血性脳卒中が各1例(0.4%)でした。 ・投与中止に至った有害事象は、ソーティクツ群で2.7%、プラセボ群で3.5%、アプレミラスト群で4.7%に認められました。

投与0週~24週(アプレミラスト対照期間)

・重篤な有害事象は、ソーティクツ群5.6/100人・年、アプレミラスト群2.8/100人・年でした。 ・投与中止に至った有害事象は、ソーティクツ群7.6/100人・年、アプレミラスト群13.1/100人・年でした。

As treated集団 : 治験薬を1回以上投与された患者集団(投与16週以降に他の治験薬から切り替えた患者を含む)。投与0週~24週及び投与0週~52週の安全性データはいずれも事象発現時に投与されていた治験薬に基づいた。

投与24週~52週(維持投与期間)

・重篤な有害事象、投与中止に至った有害事象は、以下のとおりでした。

投与0週~52週(全試験期間)

・ 投与0週~52週までの副作用発現率は、ソーティクツ群で22.4%(187/833例)、プラセボ群で15.2%(76/501例)、アプレミラスト群で32.3%(82/254例)でした。・ ソーティクツ群で2%以上に認められた主な副作用は、上咽頭炎(20例、2.4%)、上気道感染(18例、2.2%)、プラセボ群では下痢(11例、2.2%)、アプレミラスト群では、悪心(21例、8.3%)、下痢(20例、7.9%)、頭痛(11例、4.3%)、上気道感染(9例、3.5%)、腹痛(5例、2.0%)でした。・ 重篤な副作用は、ソーティクツ群で3例(心房細動、上気道感染、COVID-19が各1例)、プラセボ群で2例(蜂巣炎1例、急性呼吸不全及び心嚢液貯留が併発した1例)、アプレミラスト群で1例(マイコプラズマ感染1例)に認められました。・ 投与中止に至った副作用は、ソーティクツ群で14例(糸球体濾過率減少2例、胸痛及び不眠症が併発した1例、肺炎1例、蕁麻疹1例、発疹1例、疲労及び筋肉痛が併発した1例、下痢及び不眠症が併発した1例、血中クレアチンホスホキナーゼ増加1例、下痢及び嘔吐が併発した1例、抑うつ気分、疲労、自殺念慮が併発した1例、過敏症1例、COVID-19 1例、嘔吐1例)、プラセボ群で6例(乾癬3例、蜂巣炎1例、紅斑1例、過敏症1例)、アプレミラスト群で12例(下痢2例、腹部不快感1例、嗜眠1例、腹痛及び鼓腸が併発した1例、不眠症1例、不安、疲労、悪心及び振戦が併発した1例、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加及び血中クレアチンホスホキナーゼ増加が併発した1例、上腹部痛1例、腹痛及び筋痙縮が併発した1例、乾癬1例、悪心及び腹痛が併発した1例)に認められました。・ 投与中止に至った有害事象は、ソーティクツ群で29例(糸球体濾過率減少4例、下痢、嘔吐、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、発疹、不眠症、疲労、COVID-19が各2例、腹部不快感、腹痛、悪心、膵腫瘤、血中免疫グロブリンE増加、乾癬、酒さ、蕁麻疹、抑うつ気分、パニック発作、自殺念慮、胸痛、肺炎、リンパ節症、冠動脈硬化症、肝炎、過敏症、筋肉痛、肝細胞癌、血栓症が各1例)、プラセボ群で16例(乾癬7例、便秘、紅斑、自殺念慮、うつ病、大うつ病、蜂巣炎、胃腸炎、過敏症、高血圧、慢性腎臓病が各1例)、アプレミラスト群で14例(下痢、腹痛が各3例、悪心、不安、筋肉痛が各2例、腹部不快感、上腹部痛、鼓腸、胃食道逆流性疾患、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、乾癬、不眠症、疲労、筋痙縮、頭痛、嗜眠、振戦が各1例)に認められました。・ 本試験では、52週までに、ソーティクツ群で2例(心不全及び敗血症1例、肝細胞癌1例)、アプレミラスト群で1例(肺癌及び胃腸出血)が死亡しました。プラセボ群では死亡は認められませんでした。

再生時間:
約9分

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