投与前の確認事項

本剤は結核等の感染症を含む緊急時に十分に対応できる医療施設、あるいは当該医療施設との連携下において、本剤についての十分な知識と適応疾患の治療に十分な知識・経験をもつ医師のもとで、本剤による治療の有益性が危険性を上回ると判断される症例のみに使用してください。
本剤の治療を開始する前に、光線療法を含む既存の全身療法(生物製剤を除く)の適用を十分に勘案してください。

(電子添文[警告]より抜粋)

適応となる患者

本剤の効能又は効果

既存治療で効果不十分な下記疾患
尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症

本剤の効能又は効果に関連する注意

以下のいずれかを満たす尋常性乾癬、膿疱性乾癬又は乾癬性紅皮症の患者に投与すること。

・光線療法を含む既存の全身療法(生物製剤を除く)等で十分な効果が得られず、皮疹が体表面積の10%以上に及ぶ患者 ・難治性の皮疹又は膿疱を有する患者

適応とならない患者 
禁忌(次の患者には投与しないこと)

重篤な感染症の患者症状を悪化させるおそれがあることから投与しないでください。
活動性結核の患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 本剤に含まれる成分で過去に過敏症が認められた患者には投与しないでください。

重要な基本的注意

感染症のリスク本剤は、感染のリスクを増大させる可能性があります。本剤の投与に際しては、十分な観察を行い、感染症の発症や増悪に注意してください。感染症の徴候又は症状があらわれた場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者を指導してください。
結核感染の有無本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加えてインターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認してください。また、本剤投与中も、胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意し、結核を疑う症状(持続する咳、体重減少、発熱等)が発現した場合には速やかに担当医に連絡するよう患者を指導してください。なお、結核の活動性が確認された場合は結核の治療を優先し、本剤を投与しないでください。
帯状疱疹等のウイルスの再活性化帯状疱疹等のウイルスの再活性化が報告されていることから、ヘルペスウイルス等の再活性化の徴候や症状の発現が認められた場合には、患者に受診するよう説明し、本剤の投与を中断し速やかに適切な処置を行ってください。また、ヘルペスウイルス以外のウイルスの再活性化にも注意してください。
B型肝炎ウイルス感染の有無本剤投与によるB型肝炎ウイルスの再活性化のおそれがあります。投与に先立ってB型肝炎ウイルス感染の有無を確認してください。
生ワクチン接種本剤投与中は生ワクチン接種による感染症発現のリスクを否定できないため、生ワクチン接種を行わないでください。
悪性腫瘍の発現 臨床試験において皮膚及び皮膚以外の悪性腫瘍の発現が報告されています。本剤との因果関係は明確ではありませんが、悪性腫瘍の発現には注意してください。

特定の背景を有する患者に関する注意

特定の背景を
有する患者
注意事項
感染症(重篤な感染症又は活動性結核を除く)の患者、感染症が疑われる患者又は再発性感染症の既往歴のある患者 感染症を悪化又は顕在化させるおそれがあります。
結核の既往歴を有する患者又は結核感染が疑われる患者

(1)結核の既往歴を有する患者では、結核を活動化させるおそれがあります。

(2)結核の既往歴を有する場合又は結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談してください。下記のいずれかの患者には、原則として本剤の投与開始前に適切な抗結核薬を投与してください。

・胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者・結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者・インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、既感染が強く疑われる患者・結核患者との濃厚接触歴を有する患者

B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性) 肝機能検査値やHBV DNAのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意してください。
重度の肝機能障
(Child-Pugh分類C)
のある患者
可能な限り投与を避けてください。やむを得ず投与する場合には、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意してください。本剤非結合形の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがあります。
妊婦 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。
ラットで単回投与後にデュークラバシチニブ又はその代謝物は母動物の胎盤及び羊膜嚢に移行しましたが、胎児では検出されませんでした。胚・胎児発生に関する試験において、AUC比較で臨床曝露量の約266倍(ラット)及び約20倍(遊離血清中濃度、ウサギ)に相当する最高投与量まで、胚致死作用及び催奇形性は認められていません。
授乳婦 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討してください。動物実験(ラット)において、デュークラバシチニブ又はその代謝物が乳汁中へ移行することが認められています(乳汁中濃度/血漿中濃度比:2.7~30.9)1)
動物実験(ラット)における妊娠及び哺育期間中の投与により、AUC比較で臨床曝露量の約110倍に相当する投与量で、離乳前の期間に出生児の一過性の体重減少が認められています。
小児等 小児等を対象とした臨床試験は実施していません。

1)社内資料:乳汁移行

患者又はその家族への説明

本剤の投与開始に際し、患者又はその家族に対して、本剤の効果、予想される副作用、副作用の対策等、ベネフィットとリスクを十分に説明し、患者が理解したことを確認してから、投与を開始してください。
本剤の投与中に異変を感じた場合は、速やかに主治医に相談するよう指導してください。

患者さんへの主な説明の例

・この薬は、チロシンキナーゼ2(TYK2)阻害剤と呼ばれる薬です。・この薬は、TYK2という酵素を阻害することで、炎症に関わる複数の物質に作用して、過剰な免疫細胞のはたらきを抑えることにより、乾癬の症状を改善します。・この薬は、1日1回1錠を服用する薬です。通常、使い始めてから24週間以内に効果が得られますが、24週間以内に効果が得られない場合には、この薬による治療の継続の適否について主治医が検討します。・この薬は、病気を完治させるものではありません。・この薬の使用により、ウイルスや細菌などによる重篤な感染症があらわれたり悪化したりすることがあります。また、結核にかかったことがある人では、結核を活動化させる可能性があります。・この薬を使用中に感染症の徴候や症状(発熱、寒気、体がだるいなど)があらわれた場合には、速やかに主治医に連絡してください。・ヘルペスウイルス(帯状疱疹、単純ヘルペスなど)の再活性化が報告されています。ヘルペスウイルスなどの再活性化の徴候や症状(小水疱が帯状に生じる発疹、局所の激しい痛み、神経痛など)があらわれた場合には、速やかに受診してください。・この薬との関連性は明らかではありませんが、悪性腫瘍(皮膚やその他の悪性腫瘍)の発現が報告されています。・この薬は、重篤な感染症にかかっている人、活動性結核にかかっている人、過去にソーティクツ錠に含まれる成分で過敏症のあった人には投与できません。過敏症の症状として、のどのかゆみ、息苦しさ、動悸など、いつもと何か違うと感じたら直ちに主治医に連絡してください。・この薬を使用している間は、生ワクチン(BCG、麻疹、MR、水痘、おたふく風邪など)の接種はできません。

説明にあたり、くすりのしおり、患者向医薬品ガイド、患者向け冊子「ソーティクツ®錠を服用される方へ」等をご活用ください。

投与前チェックリスト

投与前に確認する項目を「投与前チェックリスト」としてご用意しております。

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